信州葡萄酒事情session2 : シェフ藤木徳彦のワイナリー探訪   信濃ワイン篇 /ワイナリーの紹介 / マリアージュ T / マリアージュ U
信州葡萄酒事情 マリアージュ U  〜 竜眼&自家製ロースハム 〜
 Shinshu Wine Stories

ブドウ生産者さんたち

(藤木)ところで、昭和47年に初めてメルローを植えたそうですが、当時はノウハウとかもなくて、大変だったんじゃないですか?

(社長)百瀬さんは一番古くからメルローを作っているんですよ。

(藤木)その頃メルローはあまりない品種ですよね。

(百瀬)そう。栽培技術を教えてくれた人も、メルローができれば巨峰なんかは簡単だと言っていました。でも、当時マンズワインが日本中調べて、気候的に塩尻が一番適しているということで、塩尻での栽培に力を入れたんですよ。

(藤木)その頃、日本にメルローの苗木はあったのですか?

(百瀬)いやあ、もちろん無いからヨーロッパから持ってきて植えたんです。

(藤木)でも、当時の塩尻は寒かったのでは?

(百瀬)うん。だからわらを巻くなど凍害対策をしましたね。

(藤木)その頃の樹は今でも残っているのですか?

(百瀬)一本だけね。

(藤木)今、主力の樹は樹齢何年くらいのものなんですか?

(百瀬)だいたい20年ですね。

(藤木)じゃあ、かなり良い実を付けますね。収量制限も行っているんですよね?

(百瀬)もちろん。

(藤木)でも、そうすると収量が上がらなくて、収入面ではご苦労があるのでは?

(百瀬)ははは、そうだね。

(社長)この間もブドウの価格を決める取引会議で、もう少し単価を上げてもらわないと、農家の収入は減る一方だとの指摘がありました。

(旭)農家とすればブドウは結構手もかかるし、作る張り合いとなる収入が見込めないと後継者も付かないからねえ。

(藤木)そこをうまくやっていくには、どれだけワインが売れるかということが重要になってきますね。

(旭)そうだね。メーカーで物が売れなければ、我々がいくらブドウを作っても仕方ないよね。それじゃあいけないから、我々もワインを飲まなくちゃいけないね。


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