信州葡萄酒事情session2 : シェフ藤木徳彦のワイナリー探訪   信濃ワイン篇 /ワイナリーの紹介 / マリアージュ T/マリアージュ U

信州葡萄酒事情 マリアージュ V  〜 パン・ド・エピス & 氷花の舞  〜
 Shinshu Wine Stories

ロースハムと竜眼が熟年夫婦なら、こちらは出会ったばかりの超刺激的な関係。
数種類のスパイスと濃厚な蜂蜜がたっぷりのパンと、負けずに濃厚で華やかな香りを放つデザートワインは、お互いを魅了。
口の中で香りがまっすぐにぶつかり合ってはスパークする。


氷華の舞とパン・ド・エピス


(藤木)では、次は個人的にも好きなナイヤガラの氷結「氷花の舞」です。合わせているのは、これに負けないくらい甘くて香りの爆発が起こるパンです。ちょっと召し上がってみてください。ナイヤガラの香りとどっちが勝つか。

(一同)う〜ん。

(藤木)これはスパイスと蜂蜜をたっぷり入れて焼いたパンなんですけれど、フランスではこれをデザートワインと葉巻とともに楽しむという香りの文化があります。

(一同)なるほどね!

(茅野)スパイスすごいねえ。

(藤木)そうなんです。こちらの氷花の舞も原料が良く、味わいもまったりと濃厚なので、パンチのあるこのパンを用意しました。

(社長)いやいや、究極のパンと究極のワインですね。

(藤木)このナイヤガラは氷結だから、収穫期を遅らせる必要はないんですよね?

(旭)そうだね。時季は関係ないね。

(社長)でも、糖度は16度以上ですからね。16度って簡単に言うけれど、ナイヤガラでこの糖度にするのは大変なことなんですよ。

(旭)そう。ブドウの房にしっかりと日を当てないと、すぐ
123度になっちゃう。

(社長)長野県原産地呼称管理制度の認定基準では、ナイヤガラの糖度は16度以上と決められていますが、これをもう少し緩やかにしてくれないかという意見があちらこちらから出ています。基準がきびし過ぎるってね。

(旭)果汁を絞って16度って大変なことだよ。

(藤木)そうですね。収穫のときにはそれ以上なければいけないということですからね。

(社長)しかし、このパンと氷花の舞は良く合いますね。マリアージュと表現するんですよね。

(茅野)このパンが一般家庭で作れればねえ。

(藤木)作れるんですよ。これはイースト菌も入っていないお菓子のようなパンで、ただ材料を混ぜて焼くだけでいいんです よ。ご家庭でも簡単にできます。

(社長)なかなか知らない方にはこのマリアージュの世界がわからないというのが残念ですねえ。


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