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ディスカッション 1 /2
信州葡萄酒事情  シェフ藤木徳彦のワイナリー探訪   - 山辺ワイナリー篇 - 
Shinshu Wine Stories

料理とワインのマリアージュ&ディスカッション      3-2

メルロー2004と子豚の赤ワイン煮込み 

(戸川)このメルローは、色がすごいんですよね。初めて見たときは驚きました。

(横山)グラスの向こうが見えないよね。

*料理が配られる

(藤木)洗馬の乳飲み子豚とプルーンを赤ワインで煮込みました。メルローを試飲した上で、ワインをひきたてるように甘い味付けにしてみましたが、いかがですか?

(横山)ワインだけを先に飲むと印象的な味ですが、料理のあとに飲むと水のようですね。

(百瀬)まだまだワインの個性が足りないね。ワインだけ飲んでいたほうが、おいしく感じます。

(戸川)藤木さんにはこのメルローをだいぶ褒めていただきましたが、やはり残念ながら料理に負けていますね。今年はもう少し醸し期間の温度を下げて、じっくり熟成させ、この料理に負けないようなワインに仕上げたいです。

(藤木)そうですね。率直な評価だと思います。冬になると、鹿やイノシシなどジビエの煮込みも作りますが、そのときは血液も入れてさらにまったりとした濃い味わいに仕上げます。それに合わせるワインは相当濃厚でパンチがないと、料理に太刀打ちできません。ですが、山辺にはこれだけポテンシャルの高いブドウがあるので、今後どこまですごいワインができるのか楽しみにしています。もしかしたら、今年仕込んだワインが化けるかもしれませんよ。

(戸川)そうですね。確かに、普通こんなに糖度の高いメルローはありません。糖度23度、アルコールも13%くらいになっています。補糖(糖分を足すこと)なしの、完全発酵ですよ。もう少し瓶熟成すれば、グリセリンなどの甘味を感じる成分が出てくるはずです。

塩尻産の乳飲み子豚とプルーンを赤ワインで煮込んである
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