信州葡萄酒事情 信州葡萄酒事情 / 信州ワイン楽講座 / 第1楽章 品種の味を知ろう
 
Shinshu Wine Stories
ソムリエ石田通也の信州ワイン楽講座ソムリエ石田通也の信州ワイン楽講座

ソムリエ石田通也の信州ワイン楽講座
ワインの品種の基本分類を教わる。石田氏の説明はわかりやすい

品種の味を知ろう

 まずはテイスティングで主要品種の味を覚えることに。白ワインはフランス産のシャルドネとソーヴィニオンブラン、五一ワインのシャルドネ、塩尻市城戸ワイナリーのナイアガラ。赤はフランス産ピノノワールとメルロー、城戸ワイナリーのメルロー、イヅツワインのメルローが用意された。
 始めに白ワインの味わいを比較するため、石田ソムリエはふたつのグラスにシャルドネとソービニオンブラン(ともにフランス産)を注いだ。早速味を比較した参加者は、それぞれに「こっちが好き」「品種の特徴がよくわかる」と飲み比べの体験に満足気。以下、石田氏に教わった一般的な品種の特徴をまとめたので、ワイン選びの参考にしたり、実際飲んでみてご自身の感想と比較したりしてほしい。


<白ワイン品種>

シャルドネ(Chardonnay)

フランスのブルゴーニュやシャンパーニュ地方に代表されるように、涼しい気候で栽培されていたが、現在では世界中で栽培されている。
コクやキレ味が鋭く、複雑な味わいの良質なワインに仕上がる。
一般には単品種ワインが多く、また、 樽での醗酵や熟成によりオーク香が付加されることも多い。
シャンパンのような発泡ワインにもよく用いられる。
シャルドネ単品種のワインとしては、フランスのシャブリ(Chablis) が最も有名。

ソービニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
主にフランスのボルドーやロワール地方で栽培されている。
「青草のよう」または「ハーブのよう」なアロマと形容されることが多い。
最近は高級寿司店でも常備される傾向とか。きのこやたけのことも相性が良い。
この品種のワインではサンセールなどが有名。

リースリング(Riesling)

ドイツやアルザスの重要な品種。品種独特の強い果実香とさわやかでシャープな酸味が特徴。
他の品種とブレンドされることは少ない。辛口タイプのものから、遅摘みぶどう・貴腐ぶどうによる濃厚な甘口のデザートワインまで、その守備範囲は極めて広い。

ナイアガラ(Niagara)
中粒の白葡萄で、甘味充分、酸味も程よくあり華やかな香り。生食用としても大変美味しく、耐寒性も強いため、桔梗ヶ原では明治時代から今日まで人々に愛され多く栽培されてきた。
ワインになると爽やかなナイアガラの香りが立ちあがる。甘口でも辛口でも果実味豊かなワインができる。

<赤ワイン品種>

ピノ・ノワール(Pinot Noir)

フランスのブルゴーニュ地方を原産とする世界的な品種。紫色を帯びた青色の果皮を持つ。世界中のワイン産地で栽培に取り組んでいるが気まぐれで注文の多い難しい品種。カベルネ種とはあらゆる面で対照的な品種。女性が好む傾向あり。
世界で最も高価なワイン、ロマネ・コンティもこの品種から作られる。

メルロー(Merlot)

フランスボルドー地方・サンテミリオン地方などで赤ワインの主力品種。
カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることが多い。
日本でも長野県の塩尻市・桔梗ヶ原地区などで栽培され、国際的な評価を得ている。
“スミレ”のような香りで繊細な味わいのワインになり、世界中で愛されてきた。

カベルネ・ソーヴィニオン(Cabernet Sauvignon)

ボルドーの最も重要な品種の一つ。世界各地でも栽培されているが、比較的温暖な気候を好む。単に「カベルネ」 とも。
ソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・フランの自然交配によって誕生したといわれる。
果皮のタンニン分が多く、強い渋味のある濃厚なワインとなる。雑味が多く、比較的長期の熟成を必要とする。
強過ぎる渋味を緩和すべく、メルロー等の他の品種との混醸や混和も少なくない。

カベルネ・フラン(Cabernet Franc)

カベルネ・ソーヴィニヨンよりも、出来上がったワインは柔らかな渋みを持ち、やや素朴な感がある。
ボルドーワインにしばしば配合され、カベルネ・ソーヴィニヨンと比較してより冷涼な気候でも栽培される。
フランスではボルドー・サンテミリオン地区やロワール地方によく見られる。

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