信州葡萄酒事情  信州葡萄酒事情 / 信州ワイン講座 / 第1楽章 みんなのギモン 基本の「き」
 
Shinshu Wine Stories
ソムリエ石田通也の信州ワイン楽講座ソムリエ石田通也の信州ワイン楽講座

ソムリエ石田通也の信州ワイン楽講座
まずはワインを飲むための大事な作業として、ワインオープナーを使ったコルクの開け方をレクチャー。
最初はこわごわ手を出していた参加者も、次第に慣れた手つきに。

みんなのギモン / 基本の「き」

1 ワインとは?

 まず、石田ソムリエが教えてくれたのは、お酒の中でのワインのポジションや扱い方。一度頭の中に知識を取り込んでおけば、ワインに対するハードルはぐっと低く感じるはずだ。
酒類には醸造酒と蒸留酒とがあり、ワインは醸造酒。穀類を発酵させて作るビールや日本酒に対し、ワインは果実を発酵させて造ったものだ。
蒸留酒は醸造酒をさらに蒸留させたもの。麦やトウモロコシなど穀類を原料とするウイスキーや、ブドウを原料とするブランデーやコニャック、アルマニャック、リンゴを原料とするカルヴァドスなどがある。
2 ワインに適したグラスって?

ワインのタイプによって適した形のグラスがある。例えばシャンパーニュならば、きめ細かい泡が細く長く続くようグラスのボディも細長く作られている。ブルゴーニュワインのように繊細でふくらみのある香りを楽しむワインならば、グラスも香りをため込むように大きくふくらみ、尚且つ先端はすぼまっているものが良い。
 しかし、家庭ですべてのタイプのグラスを揃えるのはなかなか難しいので、万能選手が欲しいところ。石田氏曰く、ソムリエがワインの官能審査に使うテイスティンググラスは、シャンパーニュから赤まで対応できる意外なスグレモノだという。日本酒やビールを入れても美味しく飲めるそうだ
3 ワインはグラスのどこまで注ぐのか?

 ワインを味わう上で、香りを嗅ぐというのも重要な要素。
従って、グラスに注ぐときも豊かな香りを楽しめるようにしたい。ワインはグラスの膨らみのもっとも大きい部分まで注ぐと、残りの空間に充満した芳醇な香りを堪能できる。
4 ワインの適温って?

 ワインのボトルの後ろに「適温●度〜●度」と表示されていることがよくある。だけど、ボトルを触ってみて、これが何度の状態なのかはよくわからない。書かれている適温にするにはどうしたらよいのだろう?
 室温にあるワインは、そこから温度を低下させていくのが基本。夏はエアコンをかけなければ25〜30度前後、冬でも暖房を炊いていれば室温は25度以上あるので、少なくとも冷蔵庫で2時間くらいは冷やすべきだという。大きな鍋などに製氷皿3〜4杯分のたっぷりの氷を入れ、表面が浸る程度の水を張った中にワインのボトルを入れて冷やすのもいい。その場合、1分で1度液温が下がる。
5 グラスの持ち方

 「グラスの足の部分を持たないとワインが生ぬるくなってしまうとよく言われますが、そんなことはありません。」と石田ソムリエ。
ワインを飲む間グラスのボディ部分を持って温度の上昇を調べた人もいるらしいが、その実験結果からも大して変化しないことが判明しているという。「ワインの入った部分を触り続けでもしなければ、問題ありませんから、好きなように持って構いません。ただ、女性は指をグラスの足に対して斜めに添えると手先が美しく見えますよ。また、少し小指のさきをグラスの底部に添えていると、酔いが回ってきたときや暗いレストランでテーブルまでの距離感がつかめないときなどにグラスを『カツン!』とぶつける可能性が少なくなります。」なるほど。
ちなみに立食パーティーなどでシャンパングラスを持つ場合は、グラスのボディの部分を持った方が安定するし、見た目も優雅。

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