塩尻市・洗馬で育った黒毛和牛のモモ肉を、五一ワインで剪定したブドウの枝でグリルした贅沢&ダイナミックな野外料理。和牛のランクはA4!(歩留まりの等級をABCで表し、Aが最高ランク。肉質の等級は1〜5で表し、5が最高ランク。ゆえにこの肉は相当のレベルだ)ブドウの枝の香りと大鹿村の山塩(温泉を煮詰めて取った大鹿村特産の塩で、藤木シェフはシンプルな料理の味付けに好んで使う)のみで味付けしたのは、この肉の旨味をダイレクトに伝えたかったからだろう。和牛を育てる安塚さんは、精肉店も経営。「長野県は牛肉の料理の幅がなく、肉屋が和牛1頭を買っても売りさばけないのが現状。だから、育てた牛の売り先はほとんどが大阪や京都です」という安塚さんに、「万博で使った和牛もそうでしたが、品質的に素晴らしいものがあるのに地元では手に入らないばかりか知られてもいないのが残念ですね。地産地消が実現すればよいのですが」と藤木シェフ。安塚さんの和牛は大阪市場で非常に評価が高いそうだが、地元桔梗ヶ原でも和牛といえば洗馬の安塚さんのものと言われるくらい認知され、消費されてもらいたいものだ。
さて、この料理に合わせるために1996年、2000年、2001年と3ヴィンテージのメルローが用意された。1996年は林社長のプライベートストックで、この日のために特別に提供していただいたもの。2000年や2001年に比べまろやかな味わいに変化していたが、まだまだ骨太な感じを残すのは、桔梗ヶ原メルローの底力なのか。参加者は贅沢にもこの3種類のメルローを飲み比べ、黒毛和牛とのマリアージュを試みた。
|