信州葡萄酒事情 / 信州ワイン楽講座 / 第2楽章 家庭料理にもワインの出番 Shinshu Wine Stories |
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第2楽章 | |||||
家庭料理にもワインの出番 日本の家庭料理は実に多彩で、ワインを合わせるには無理のある料理の存在も否めない。と言うより、ワインを合わせづらいものの方が多い。ワインの味わい重視の筆者は、「無理に和食や中華に合わせることないじゃん!ワインにバッチリ合う料理を作れば」と思っていたのだが、今回のワイン楽講座に参加して、「これなら…」と目からうろこの合わせ方もあることを知った。 ひとつは和食の代表選手・蕎麦。 石田ソムリエ流のアレンジは、蕎麦にオリーブオイルと塩を絡めるというもの。講座でも料理上手な石田氏が調理をして見せてくれた。この日はオリーブオイルではなく、筆者の持参したピーナッツオイルを使ったのだが、これもなかなかいけた。生蕎麦を茹でて流水で揉むとボウルに移し、手早くオイルを絡めて塩と水菜を加え、最後に香り付けの醤油を少し垂らして味を調えた。さっぱりしたタイプならば白ワインでも赤ワインでも違和感なく合わせられる味。ピーナッツオイルの香ばしさは、ややコクのあるシャルドネでもマッチしている。 もうひとつ、参加者が驚きの歓声を上げたのが冷奴withオリーブオイル塩。 単純に冷奴にオリーブオイルを垂らし、塩を振っただけのものだが、ワインに対してはストライクゾーンが広くなり、大抵の品種に合わせやすい味となる。上記のようなものは「オイルのマスキング効果」を利用したアレンジで、このほかに刺身の付け醤油の代わりにオリーブオイルと塩とレモンをあわせたものを使うなどという応用の仕方もあるそうだ。 この日は普段作っている家庭の料理にワインを合わせようという石田氏の提案により、参加者にも料理の持参をお願いした。海老のチリソースやグラタン、チーズ入り手まり寿司、煮物などどこの家庭でもポピュラーであろう料理が集結。「グラタンにはシャルドネが合う」「手まり寿司もチーズが入っているからワインに合うね」など初めての味の組み合わせを皆真剣に味わった。 料理とワインを合わせるとき、注意すべきことは糖分のバランスだという。 料理の糖度がワインの糖度を越えないのが基本。なるほど、さっぱりとした前菜や野菜には酸味のあるソービニオンブランやリースリングが合うし、こってりとした肉の煮込みにボディの軽い赤を合わせたら水のように感じるから、やはり完熟したブドウから作られた熟成感のある赤を合わせたい。デザートと一緒に飲んで美味しいのは、さらに甘さと濃縮感のあるデザートワインだ。 |
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